感染症新法と風俗などによるSTD感染

これまでのわが国における感染症対策といえば、伝染病予防法という法律を柱として、そのほかに性病予防法やHIV予防法といった、個別の法律による規定を組み合わせたものとなっていました。しかし、こうした体制が現状に合わないという理由から、平成11年に感染症新法に一本化されて、旧法は廃止されることとなりました。
従来の法律では集団予防に重点を置いていましたが、感染症新法では個々の国民をターゲットとしています。また、感染症新法では、新たな種類の感染症を追加するとともに、風俗はじめ不特定多数との性交渉により感染して重篤になりやすいHIVなどの感染症については特定感染症に指定して対策の強化を図っています。
こうした感染症のなかでも、風俗通いなどによって若年層でも感染が拡大している性感染症、いわゆるSTDへの取り組みは特に重要なものといえます。たとえば、生活上ありふれたウイルスのなかでもヘルペスウイルスのようなものは、性器ヘルペスという病気を引き起こし、性器やその周辺に多数の水ぶくれを生じさせます。これは風俗にかぎらず、恋人などのパートナーとの性的な接触や、もともと本人が身体にもっているウイルスからの再発ということもあります。
性器ヘルペスにかかると、そのままでは痛みやかゆみなどを伴うため、泌尿器科や婦人科などで診察を受けて、バルトレックスのような抗ウイルス薬を処方してもらうのが一般的です。バルトレックスにはウイルスがDNAを複製するのを阻害するはたらきがあるため、服用すると5日程度もすれば症状が改善されます。
ただし、こうした抗ウイルス薬などの医薬品は、原因となっているウイルスや細菌、真菌などに対して適切なものを選択する必要があります。たとえばバルトレックスであれば、ヘルペスウイルスが主な対象ということになり、他の細菌に用いても十分な効き目は発揮できないということになります。